◆第一句集
初夢や俳句の神様舞ひ降りる
『金平糖』は眼科医から「詩」を究められた一人の女性の物語である。
序より・津久井紀代
◆自選十句
土手をゆく土踏まずより春は来る
太閤も愛でし吉野の花見かな
初蝶のカーテンに黄を畳みけり
大津絵の鬼も仏も日向ぼこ
扇より内緒話のこぼれけり
ででむしの白杖めける角二本
悲しみは悲しみのまま浮いてこい
晩涼が死語となりたる首都の夜
あやふさを秘め満開の寒牡丹
年新た愚かなること繰り返し
[きむらちかこ(1942〜)「姫沙羅」選者「天晴」所属]
序:津久井紀代
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
220頁
2025/07/30刊行