◆第三句集
風子さんの俳句は自由である。そして、温かいのがうれしい。
加古宗也
◆自選十五句
竜天に登る途中の摩崖仏
初蟬の草の中より鳴き始む
逃げ水を追ひ義仲寺を通り過ぐ
生身魂二人印伝袋提げ
秋風鈴鳴る髑髏町一番地
黒南風や幽霊飴屋にも日曜
指輪二つ並べしままや星祭
大道芸火を吹くエイプリルフール
麦熟るるまで兄とゐし四姉妹
紐引けば涼しく木偶の笑ひけり
初泣きの子や人形の靴失くししと
下駄箱に来て口遊む卒業歌
たつたこれだけの雪の雪だるま
姉川も妹川も曼珠沙華
七五三抱かれて父の手に木覆
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[たぐちふうこ(1949〜)「若竹」副主宰、「風のサロン」代表]
帯:加古宗也
栞:櫂未知子・中村雅樹
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
190頁
2025/07/30刊行