◆新装版・第一句集
序句・殿村菟絲子
私は、句集『五月』の著者が、今後、いよいよ自己の詩境を深められ、その独自の作品に無類の光彩の強まることを願っている。
(跋より・所 山花)
◆復刻新装版のためのあとがき
この『五月』は私の第一句集の復刻新装版である。本阿弥書店の現代俳句シリーズに加えていただき、平成二年に刊行した。殿村菟絲子先生の「万蕾」に学び十七年が過ぎていた。俳句に取りつかれ、夢中になっていた初学時代の作品である。それから三十五年が経ち、六冊の句集を刊行してきたがこの『五月』が私の原点と思っている。菟絲子先生を信じ、先生に応えようと励んでいた頃の懐かしい句集である。
(あとがきより)
◆作品紹介
行く春を巣籠る鳥と一つ部屋
今日了ふや西日まつすぐ眉に来て
顔埋めて白桃吸へば山近し
旱星たんぽぽの絮発光す
露けしや銅器しづかに錆育て
蛇を見しまなこいつまで冷たくて
一念の落葉音なく踏み行けり
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[わだじゅんこ(1937〜)「繪硝子」主宰]
序句・殿村菟絲子
跋・所 山花
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
136頁
2025/05/24刊行