◆第七句集
もしかしたら、僕は自分自身の心を癒すために、俳句を詠み続けているのかもしれない。俳句には、「心を癒す」という大きなパワーがあるような気がするのだ。
(あとがきより)
◆収録作品
春浅し水栽培の根の真白
啓蟄や筆立てに筆ひしめいて
ポタージュのひと匙重き春の風邪
絵馬すべて家のかたちや花明り
流星はしろがねいろの栞紐
着膨れてポケットの底遠くなる
鯛焼の香の流れ来る雨宿り
丸ふたつ描けばドーナツ桃の花
種蒔いて父の口数多くなる
藁屋根に少しめりこむ春満月
*
[かねこあつし(1959〜)]
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル
118頁
2025/05/27刊行