◆第一句集
風光るきりきりと弓引かれつつ
面倒見の良いよし子さんの周りでは、事件が次々に起きるのだそうだ。「流さるるまま吹かるるまま」と詠まれるほどの時期もありはしたが、今では明日への扉を開ける鍵を自らお持ちだ。「この先もどこまでも飛び続けたい」と書かれたよし子さん。そう、きりきりと弓は引かれた。あとは放つのみである。
(序より・高田正子)
◆収録作品より
夏兆す台北の道バイクバイク
よく晴れて光の中の初句会
いつよりの降り始めとも春の雪
月山のよく見ゆる日よ吹流し
手を止めよ筒鳥の声聴き留めよ
春嵐退路断ちたし断つべしと
草の花君らも我も名なきもの
翻る一瞬は金紋白蝶
古今雛涙のあとのやうな罅
山形の空にぽかんと凧
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[さじよしこ(1949〜)「青麗」俳句会、「いぶき」俳句会会員]
序:高田正子
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル帯カバー掛け
178頁
2024/11/26刊行