◆第一句集
母遠忌すべての桜ささげたし
自分も一度はこんな手放しの、それでいて稟性のとみに高い追慕の句をのこしてみたい。万人にそう思わせる一句ではないだろうか。
帯・横澤放川
◆自選十二句
やじろべゑみたいな平和終戦日
筆もて記せペンもて記せ原爆忌
糸瓜棚空の小さき子規の部屋
漱石に里子の履歴冬菫
春一番東京生まれでせつかちで
待つ人のあらまほしき夜沈丁花
生きのびて住む深川の川施餓鬼
待てば来る待つや銀座の初燕
原爆忌一羽の重き鶴千羽
ちちははの知らぬ高階盆迎
八月の重たき日日に誕生日
浅草は考の遊び場切山椒
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[きむらあかね(1944〜)「森の座」所属]
帯:横澤放川
跋:北島大果
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
220頁
2024/10/29刊行 (編集済み)