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明晰で、詩的情感の豊かな作品が多数並んだ第1句集。
「黒板の下に蚊遣火置きくれし」薄暗い廊下に続く教室のこととて、足許に蚊が出たりするのであろう。それを気遣って、生徒が黒板の下に蚊取線香を置いてくれる。先生と生徒の心の交流をうれしく感じとることができる。
(山崎ひさを・序より)
卒業の十六人と握手せり
グッピーのあまた生まれしクリスマス
野外劇まくなぎ双手もて払ひ
遠く病む妹のあり天の川
預かりし犬を洗ひて春の昼
序文・山崎ひさを 跋文・平間真木子
装丁・君嶋真理子 四六判上製フランス装 176頁