◆第二句集
『封緘』に継ぐ待望の第二句集。
序句:石田郷子
◆作品紹介
花辛夷声出して喉取りもどす
五月病とも前髪の翳りとも
色見本この朝焼の色はなく
眩しくて見えぬが猫柳である
病室に春の野をそのまま飾れ
青葉木菟仮死から蘇るまでを
一面の白蛾と見えて壁白し
押し寄せてくる葉柳と後悔と
青葉騒栞の少し前から読む
山茱萸の実に触れて手の蘇る
冬館ランプは光から古び
胸に火の回る速さや冬河原
すれ違ふ秋風よりも颯と人
君にとつての雪が私の詩
歌ひをる喉を冬の泉とも
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[ふじいあかり(1980〜)「椋」会員]
序句:石田郷子
四六判ペーパーバックスタイル
212頁
2024/09/30刊行