◆第四句集
冬ぬくきスープカップに耳ふたつ
のんびりと俳句を楽しんでいる場合ではないのであるが、不安なる故に自分事をもっと大事にしなければと、焦る心が芽生えたのも事実だ。
(あとがき)
◆作品紹介
遠野火の深閑と這ふ速さかな
父の手になる折鶴は囀りさう
花束のセロハン光る春の雪
麦の穂や風に聞かせるだけの歌
己が空己で磨く水すまし
自らの歩幅よりなし蝸牛
羅といふひとひらの雲を着る
強き順知つてゐる子の木の実独楽
天かすのさつと広がる時雨空
木がほうと息つくやうに雪しづり
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[まつながふみこ(1947〜)]
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
162頁
2024/06/22刊行