◆最新詩集
青い空からサルが降る
降りに降って
道には
サル溜まりが出来ている
走ってきた車が
サル溜まりを撥ねる前に
サルたちは軽々と
僕に跳び移る
中には僕に入り込む奴もいる
サルが降り止んでも
そいつは僕にしがみついたまま
離れない
まじめな話をしようとすると
ひょいと顔を出して
それって本心かと言う
余分な欲や野心を無くし
サルのように
単純明快に生きたいと願うが
その願いだけで
サルにはなれない
まして
サルと共存するには
まだまだだ
空から降ってきたのは
サルの形をした
僕の心だったかもしれない
(「晴れ ときどき サル」より)
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[かたぎりひでひこ(1942〜)]
装丁:和兔
A5判並製カバー装グラシン巻
64頁
2024/06/30刊行