◆第一句集
しやぼん玉うかとたましひ吹き入れし
詩人としての矜持を保ちつつ、謙虚に俳句形式に向かわれた成果がこの句集である。
跋より・満田春日
◆自選十句
ヒロシマノマツクラガリノサクラカナ
棕櫚の日の人のすくなき列に付き
下駄箱のさんざめくなり黴の花
水無月の鹿がのぞくよ厨口
炉心溶融白繭にさなぎ眠りて
塩舐めて牧夫は夏を痩せにけり
ひとつ囲にふたつ蜘蛛棲む秋の空
天守へとご門の多し穴惑
白式部旅に死にたる馬多し
渤海へ攫はれてゆく冬没日
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[たけのこしはじめ(1939〜)「 三四雁通信句会」「はるもにあ」「山河俳句会」会員]
跋・満田春日
栞・岸本尚毅
装丁・和兔
四六判上製継表紙カバー装
184頁
2024/06/06刊行