◆第一句集
銀河濃し死とは日時のなき切符
作者の詩の舟はどこへ向かうのであろうか。更なる新世界へ出ることを期待しながら、今後の展開を楽しみに見守りたい。
(序に替えて:佐怒賀正美)
◆収録作品より
糸とんぼ縫うては返す草の風
夜の秋アリア透きゆく森の館
終バスを逃がし信濃に天狼と
身の青むまで珊瑚の海を夏帽子
鼻と鼻寄すマオリの挨拶爽気たつ
炎天や人交ふ辻のドラキュラ像
癌告げ得ぬ今日も芙蓉の雨となる
管の這ふ術後の眠り虫の闇
好き嫌ひ言へぬ身を曳く秋の蟇
小さき炎の自負風に立つ吾亦紅
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[鈴木光子(1935〜)「秋」無鑑査同人]
序:佐怒賀正美
装丁:君嶋真理子
四六判並製クータバインディング
226頁
2024/05/27刊行