◆第一句集
サーファーの聖地の浜の桜貝
人の営みを詠むために季題を斡旋してきたと言うのではなく、まず季題を捉え、それを案じているうちに、発想が人の動きへと飛躍したと見るべきものであり、この発想に俊治さん独自の個性の萌芽がある。
序・三村純也
◆自選十二句
おとうともそのともだちも雛の客
山好きの高じてガイド山笑ふ
手に取れば振つてもみたき種袋
新駅へ続く坂道花水木
勝馬のすぐには冷めぬ滾かな
パブで飲む一パイントの黒ビール
抑留のことは語らず生身魂
手花火に起承転結ありにけり
夭折は佳人の定め花芙蓉
かつて皆野球少年獺祭忌
一時間駆けても鰯雲の下
大阪に虎好き多し神農祭
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[さくらいとしはる(1948〜)「山茶花」同人]
序:三村純也
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
194頁
2024/04/26刊行