◆遺句集
余花の空かよはぬ言葉つみ重ね
母と約束していた句集をやっと出すことができた。
句集を読んだ人達が、春におくれて咲く桜を見たとき、母のことを思い浮かべて下さったら幸せです。
(あとがきにかえてより・大木あまり)
◆収録作品紹介
漣に明暗のあり燕くる
廃品の輝き燕空を切る
Gパンの好きな娘とゆく杉菜道
坂多き町に住み慣れ白つつじ
地味なもの着て気安さよ風薫る
祖母育ち祖母となりけり夏蕨
薔薇咲くや猪口一杯の酔ひごこち
黄薔薇や酔へば救ひのあるごとし
みんみんの夜を鳴きをり子安神
[おおきりえこ(1905〜1998)]
あとがきにかえて:大木あまり
装丁:君嶋真理子
四六判変形並製小口折表紙
68頁
2024/03/03刊行