◆第二句集
寒梅へ深き轍のありにけり
俳句のフレームで眼前の景のどこかを切り取った時、一枚の写真のようなそれは、切り離された瞬間に時を超越してしまう。そして、かつてそこにあったはずの過去の景をありありと見せてくれる。
(序より・石田郷子)
◆自選十句
大甕に山茱萸活けて土地売つて
海女さんのバイク溜りやすいつちよん
たどりつき崩れ簗とはこれのこと
入口に菰巻三つ湯治宿
青みかんたわわに漁の休みなる
水の面のきらきらとして花疲れ
土間の靴ひつくり返る十日夜
屋根替や白樫の影茫々と
手をとればふくよかなりし冬紅葉
十針も頭縫ひしと年木積む
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[やましたきさ(1942〜)「椋」同人]
序:石田郷子
装丁:和兔
四六判ペーパーバックスタイル
194頁
2024/01/28刊行