◆百句シリーズ
名句が気軽に読める百句シリーズに木下夕爾が登場!
◆孤高と有情
夕爾句には、あからさまな洒落、おどけ、滑稽、皮肉といった諧謔はない。「俳句」は和歌・連歌から派生する過程で「言葉の遊び」「精神の遊び」を伴う諧謔を内包してきた。けれども、夕爾はその〝遊び〟を〝あそばず〟ひたすら〝心を澄ませ〟、身辺の風物に溶け込んで韻文である俳句の世界を構築するのである。
寡黙、寡作の作家・木下夕爾は「含羞の詩人」といわれた。かれの表現は一見さらりとしているが、ふかいニュアンスとペーソスを帯びた抒情が俳句のなかに封じ込められている。そして、一句に凝縮した暗示や省略から、古今なかった繊細なエレガンスをふくむ俳風をつむぎだしたのである。
(解説より)
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[すずきなおみつ(1949〜)「春燈」主宰]
装丁:和兔
四六判変形並製カバー装
224頁
2023/11/24刊行