◆名もなき男の生涯
齢百歳に垂んとして、ある名もなき男の生涯を一編の句集に託した。
長い間、他人とは思えぬ真心でお付き合いいただいている多くの友人や老いのわが身に全身全霊で尽くしてくれている子どもたちへの感謝と戦なき平和な世への希求をこめた。
(著者)
◆自選十句
戦なき世を継げ令和初明り
美少年屠蘇から覚めて八十路かな
春潮の満ちて男子の生れけり
侮りし無為といふ日のあたたかし
馬道や猿若町や古地図紙魚
パナマ帽わが人生の花のころ
葡萄喰むプラトンの知を吸ふごと
特攻の死出の旅路を鶴渡る
絵のごとき枯蟷螂の命かな
十二月八日もののふ生きて老ゆ
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[いけざわまさお(1926〜)]
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
156頁
2023/12/02刊行