◆第二句集
木々芽吹くエッフェル塔は透かし編み
単に広い世界を詠ったということではなく、自由にのびのびとしている。
境涯を背景にもった作品であろう。
跋・矢島渚男
◆自選十句
良夜なり濡れたるもののみな光り
芒原髪逆だてて戻り来し
母許りへ祭りのごとき朝桜
ポインセチア音符は時を刻みゐる
独楽めがけ匍匐素早き赤ん坊
鎌倉に死者の混み合ふ冬紅葉
旅に出る前の気鬱や芭蕉の忌
人の死に鐘鳴りつづく芽吹く村
形代の片袖上げて流れゆく
紫の小花地獄の釜の蓋
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[やまだかや(1936〜)「梟」同人]
跋:矢島渚男
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装クータバインディング
186頁
2023/12/02刊行