[立ち読みする]
席ひとつ空きたるままに夏料理
着せ替へを菊に急かされ菊人形
打ちあげし星もめぐりて星月夜
潮騒のほかは聞こえず十三夜
父と子にもどる一礼寒稽古
「起ちあがる気配の透きて青簾」小津安二郎監督の映画『東京物語』の一シーンのようで、昔ながらの情緒がたっぷり。ちなみに著者は尾道在住。観察のこまやかさと切れのよい詠い方が特長の一冊。(鷹羽狩行・帯より)
序句・帯/鷹羽狩行 跋文・吉原一暁
装丁・君嶋真理子 四六判上製函装 192頁
●著者略歴
大正14年3月18日尾道市に生まれる。昭和55年「狩」入会。昭和62年狩同人。平成元年俳人協会会員