◆第一句集シリーズII
一人立つ一人の影や秋の暮
俳句を始めたばかりの頃には見えなかったものが、いつの間にか見えてくる。それが俳句が分かるということだと思うが、すでに由貴さんの目は独自のものをとらえている。これからさらに感覚を磨き、さまざまなものが見えてくるのを楽しんでほしい。
序より・片山由美子
◆自選十句
滴りに遅れて音の生まれけり
肘で押す呼び鈴エープリルフール
寒月や死のことを子に尋ねられ
焼菓子を並べて冷ます蝶の昼
おほぞらを平らに載せて蓮浮葉
朧夜や息もて払ふ文の塵
等分といふ美しさ新豆腐
空つぽの水槽伏せて卒業す
行く秋や大き鞄の画学生
湯気の立つ側溝またぎ年の市
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[ちどりゆき(1980〜)「 香雨」同人]
序:片山由美子
装丁:和兔
A5判ペーパーバックスタイル
70頁
2023/09/13刊行