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「忘れたくない一瞬」を記念するための俳句。359句を季節に沿ってまとめた句集。
◆ 第一句集
風に鹿口をむすんで鳴きにけり
十七音の季節の呪文によって、世界はすこしずつ変わる。人により、さまざまな俳句があっていいと思う。けれども、偶然であれ、必然であれ、「忘れたくない一瞬」を記念するために、ぼくの俳句はある。作りごとではなく、たしかな出会いの刻印として。
(あとがき)
●自選十五句
岩に棲む鷹さみしくて鳩となり
卒業の頭をのせる枕かな
東京の線路ぴかぴか入社式
桜散る水ノ木沢に桜散る
蝌蚪の国天上界にあめんぼう
夢の世や郭公よりもはやく起き
装丁・君嶋真理子 四六判上製カバー装 202頁
●著者略歴
1959年山形県鶴岡市生まれ。1978年~85年、信州大学理学部、同大学院で地質学を学ぶとともに、信州大学学生俳句会に参加。1978年~2000年、俳誌「岳」に参加。1980年~86年、俳誌「鷹」に参加。1984年在学中に第四回岳俳句会賞受賞。1987年~96年、東京都国分寺市在住。1996年春、家族四人で北信濃に移る。1997年~飯縄山東麓に住み、現在に至る