◆第一句集
俳句は全人格の投影である 細川加賀
写生は観であり、感である 有馬朗人
俳句は自惚れの文学である 金村眞吾
(帯より)
◆自選十五句
初明りすなはち今生あかりかな
一升瓶胡坐挟みに雪解富士
旅の荷を枕に時化の弥生尽
龍天に登り半島残しけり
あぢさゐの白に雨来てむらさきに
わが影に鯉のひしめく芒種かな
天上の糸にさゆれて毛虫生る
酔ひ出でてひとりの那覇や後の月
宮田家の釣燈籠の算木紋
ゆく水の果てに海あり天の川
広島の夜中ひとりの秋簾忌
秋惜しみけり日と月の鬼瓦
折鶴の二羽の切り貼り障子かな
五臓六腑悴む有馬先生忌
着膨れて天王星の周期生く
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[かなむらしんご(1939〜)「天為」同人]
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
130頁
2023/07/29刊行