◆第一句集
雁の棹月へ月へと浮き沈み
本句集名「雁の棹」は霞ケ浦の南端に菱食雁の越冬地があり
そこで作った句によるものです。
(あとがき)
序句・鈴木貞雄
◆自選十五句
寒造り唄で櫂掻く杜氏かな
遍路杖捲れきつても手放さず
ほとぼりを残して窯の月涼し
もろともに鋳込む鋳物師の玉の汗
熱帯魚ライトアップに色光り
鮎茶屋に生まれて継ぎて藍の帯
夏炉端女人の踊るイヨマンテ
パプリカのインパストめく夏料理
鈴の音に跳たくなりて佞武多かな
カンヌ賞ロケ地は今も稲穂波
生身魂手づから漕ぎし車椅子
臆すなく恋を吐露して星の竹
サロベツに別れを惜しむ帰燕かな
メニューには出さぬ店主の狸汁
阿修羅の絵すゑて蜜柑を供へけり
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[かみもとしゅうじ(1945〜)「雛」「わかば」所属]
序句:鈴木貞雄
題簽:柳生愛香装
丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
220頁
2023/07/06刊行