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長尾博句集『六月三日』(ろくがつみっか)

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◆第一句集
知りつくす潮の干満海苔を搔く

身ほとりに歳時記がある暮しの豊かさを実感するのは実際に句作をするときばかりではなく、名句に接してそれを味わう、鑑賞するときにも同じようなことが言える。俳句を嗜むということは折に触れ歳時記を繰る時間をも大切にすることに他ならない。
(序・高橋白崔)

◆作品紹介
磯竈をとこ言葉のとび交ひぬ
海苔干すや一湾統ぶる鳶の笛
断崖の島の端まで耕せり
代田搔く満濃池を傾けて
鳴門橋くぐる潮路や沖膾
しどけなき鶯餅の坐りざま
うららかやほよんと抱かれモルモット
麦秋やしやがんだだけのかくれんぼ
料理して籠る緑雨やサシスセソ
天高し増田明美の握り飯


ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)

[ながおかひろし(1933〜)「瑞木俳句会」会員]
序:高橋白崔
装丁:和兔
四六判上製クロス装
212頁
2023/06/03刊行
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