◆第一句集
せせらぎは母の胎内秋桜
写実を基調とした、いわば「軽み」の表現は、今も作者の持ち味の一つだが、読
み手の想像力を大いに引き出すのだということを、これらの作品は証明しているの
ではなかろうか。
序・石田郷子
◆自選十句
階下から薪ストーブの匂ひかな
豆撒の赤鬼決めるあみだくじ
刈られゆく羊見てゐる羊かな
向き合ひて羽搏つ水音春の鴨
和三盆つまみ狭山の新茶かな
緑蔭に座りて羅漢めく二人
下りゆく荒磯の径や青葉潮
大南瓜木魚のごとく置かれをり
山羊の乳配りし昔露の朝
冬ぬくし羅漢は膝に兎抱く
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[いのつめよもぎこ(1937〜)「椋」会員]
序:石田郷子
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
226頁
2023/05/22刊行