◆第一句集
みんみんやブリキ四手吊る山社
紙などであると風雨などに弱いので似たように「ブリキ」で作って「吊」りさげている「山社」もあり、私も見たことがある。ハイキングなどで山を歩く人にはさして興味はないかも知れないが、俳句の素材としてはどこか楽しい。着眼点の良さでもある。
(「山火」選後評より 岡田日郎)
◆自選十句
牛の仔の柵に鼻出し蕗の薹
蔓引けば遠くの烏瓜揺るる
鉄瓶に湯の沸き坊の年新た
ひと風の止みて穂絮の舞ひ上がる
千羽鶴札所に褪せて冬桜
湯の神の参道灯り十三夜
大海原朱に染まりて初日出づ
雲上の月にむささび鳴く夜かな
潮騒に海暮れ寒の星月夜
声張りてうぐひす雪の枝に鳴く
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[さいとうくみこ(1948〜)「山火」同人]
序に変えて:岡田日郎
題簽:齊藤久美子
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
184頁
2023/03/14刊行