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304句を収録した第3句集。
「灯を消して河鹿に夜を明け渡す」消灯することで河鹿のための時間帯へ。おおらかな心の反映がある。
『白虎』は今年八十二歳の第三句集。〈八洲(やす)さんが傘寿ぢやさうなアロハ着て 狩行〉の句そのままに、今も健在だ。(鷹羽狩行・帯より)
樹下といふやさしきところ袋角
空青きことを称へて冬雲雀
切子に灯入れて夜となる山河かな
神棚へ運ぶ七種粥の湯気
黄落や雀らも散るもののうち
帯・鷹羽狩行
装丁・君嶋真理子 四六判変型並製ソフトカバーグラシン巻 184頁
●著者略歴
本名、靖彦。大正13年7月奈良県生まれ。昭和12年頃より作句をはじめる。戦後「金剛」(主宰・下村槐太)入会、社中同人。昭和28年、「金剛」廃刊後、「鶴」入会。昭和31年「運河」創刊に参画、編集発行人。昭和47年頃より作句休止。昭和57年「狩」入会。昭和61年狩同人。平成2年第1句集『甕の水』出版。平成3年「朱雀」創刊、主宰。平成18年奈良・手向山八幡宮境内に句碑建立。俳人協会会員。奈良県俳句協会理事。奈良県音楽芸術協会常務理事