電子書籍も販売中!→ Kindleはこちら
◆第二句集
香水を一滴をんな取り戻す
美音さんの句はかなり大胆な試みのもとにあることがわかる。
いままでの美音さんの句全体を見渡してみると必ずしも試みが成功しているとは言えないものもあるのだが、そうした不成功を怖れないところが美音さんの特徴とも言える。
むしろ、ここからまた何か新しいものが生まれるのではないかという期待が生じてくるのである。
序より・大輪靖宏
◆自選十二句
連山を統べ大阿蘇の野火走る
この先は獣道かや山桜
荷風忌やソーヌゆつくり蛇行して
ときめきは晩年に来よ桃の花
国境は青き海なりつばくらめ
もう少しで星を摑めるハンモック
美しき刻を重ねて滴りぬ
あるがまま溺れてみたき芒かな
十六夜のしづかに潮の引きにけり
アサギマダラ色なき風に抗はず
家系図に一人加ふる春隣
初夢や手には届かぬ北極星
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[むこうせみね(1960〜)上智句会所属、「舞」会員、「群青」購読会員]
序:大輪靖宏
装丁:和兔
四六判上製カバー装
236頁
2022/12/24刊行