◆第一句集
出揃ひし足の屈伸蛙の子
骨格の確りした句が多いが、その中に、いたいけなものに寄せる慈愛に満ちた句が混っていて、心惹かれる。
(序・鈴木貞雄)
◆自選十句
紙風船折皺深く膨れくる
飛び火して騎虎の勢ひ野火走る
よみがへる上布の光り雪晒し
翩翻と産着ひるがへる新樹晴
瞳に光宿りてきたる羽化の蝉
寂声の老の恋唄風の盆
柚子坊のさ緑美しく肥えにけり
爪皮を芸妓選りゐる初しぐれ
凍滝の命脈縷々とありにけり
天狼の青澄む影や父恋し
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[たきざわかずみ(1945〜)「若葉」同人]
序・鈴木貞雄
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
218頁
2022/09/28刊行