◆台湾の人々、風土、文化を通じた俳句集
四〇代手前から始めた俳句がわずかに溜まった。他の誰かのためではなく、自分自身の五〇歳の区切りとして、そして、進歩の見られぬ自己というものを客観視するため、句集を出す。
(あとがきより)
◆作品紹介
台東の空高かりし初茜
歯磨きを丁寧にして初参り
濃厚な陽を吸ひ込みて台湾桜
春光や瑠璃色なりし鳩の首
百合匂ふ百年待ちて出合ふひと
金魚みつめ動かずにゐる金魚売り
紅柿の乳房にも似る重みかな
緑島の歴史も知らず渡り鳥
オリオンや遠くのものは美しく
冬の日や色の抜けたる街をゆく
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[しもおかゆか(1972〜)日本近現代文学研究者]
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル
118頁
2022/10/10刊行