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◆ 第一句集
ある年末、忘年句会があり、私も出席した。そこで私は、この句集の著者、高野日佐子さんに出会った。その印象が強かったのは、当日、その会で出された日佐子さんの作品の、若々しく、柔軟な抒情が強く心に残ったからだった。(序より・岡本 眸)
照り出して薔薇満開の重さかな
秋草や静かな雨の限りなく
対岸へ行く橋遠し夕桜
ゆめはゆめうつつはうつつ水中花
たましひにかたちの欲しや魂迎
思はざる風のありやうしやぼん玉
淋しくて道に出てみる夜の秋
三方は無人となりし炬燵かな
妹とひとつ日傘に生家あと
亡き人を呼び戻したき花野かな
「朝」会員
定価 本体2667円+税=2800円
序文・岡本 眸
装丁・君嶋真理子
四六判上製函入り総クロス装
192頁 2007.02.22刊行