◆第四句集
藁塚に凭れてぬくき日の家郷
できるかぎり旅に出て各地の自然や風土の中に身を置き、感性を研ぎ澄まし自らの体感によって納得できる句の創作をめざしました。
(あとがき)
◆自選十五句
おほがねの一打すなはち春動く
比叡より風をいただき赤蕪干す
大粒の能登のゆふづつ落し水
花過ぎの堰切つて刻ながれ出す
喪ごころの歩みとなりし冬帽子
梅雨深し谷戸の坊より煙立ち
寝しづまる峡の一村稲つるび
戸袋の中のくらがり敗戦忌
ひとしきり鳥のこゑ降る落葉籠
万年の土偶の祈り鳥ぐもり
六月の切株はわが思惟の座
藁塚に凭れてぬくき日の家郷
残る葉のはらりひらりと小晦日
逡巡しゆくて探りつ蜷の道
晩年の空あをあをといかのぼり
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[くすどまさる(1941〜)「翡翠会」代表]
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装カバー装
190頁
2022/09/05刊行