◆第一句集
菰田晶さんの俳句は、定型を決して崩さない厳格さの上に、鋭敏な感覚に裏打ちされたしなやかな詩のひろがりを感じさせる。発想の豊かさは生来のものであろう。それが俳句という形式を得て見事に結実している。
序より・片山由美子
◆片山由美子推薦十句
ブローチになほす帯留桐の花
花びらの散りゆくごとし踊果て
空腹をおぼえて目覚め寒の明
大寒や四角に張られ風呂の水
置くごとく新茶のしづく注ぎ分けて
芋虫の朝昼夜となく太る
枝垂れ咲くもののこぼれて秋半ば
まばたきを忘れてゐたる寒さかな
手袋をなじます指を深く組み
絶妙の長ささくらんぼの茎は
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[こもだ・ひかり(1954〜)「香雨」同人]
鑑賞一句:鷹羽狩行
序:片山由美子
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
208頁
2022/09/11刊行