第19回日本詩歌句随筆評論大賞俳句部門特別賞受賞!
◆第二句集
うつし世の出入口なす茅の輪かな
「茅の輪」は異界と往還する「出入口」となって、現世から不思議な時空が開けそうだ。
(跋・角谷昌子)
◆依田善朗抄出十五句
ぶらんこや空より子供降りて来る
750ccの鉄の内臓風光る
物足りぬハッピーエンドレタス噛む
星空に電車が走る植田かな
肩車跣足によきりと垂れてをり
向日葵や頬骨高き島育ち
秋暑しスクロールする規約文
QRコードは迷路天の川
鳥渡る視線誰とも合はぬ街
半日を揺れ秋草となりゆけり
転ぶ人見て転びたりスケート場
ブロッコリー鮮やかに森茹で上がる
背のギター触れてゆきたる聖樹かな
歳晩や脚立を借りに行つたきり
日の出づる国やこんもり寒卵
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[やまだ・ぼく(1972〜)「磁石」同人]
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206頁
2022/09/06刊行