◆第六句集
風は歌雲は友なる墓洗ふ
還暦を過ぎた。遠からず「高齢者」となる。
「老人」という言葉がある。何となく突き放したような感じがする。そのため、これまではその言葉を避けてきた。
今回の句集では、自分が老人に近づいたので、いくばくかの親しみを込めて「老人」という言葉を使ってみた。
(あとがきより)
◆内容紹介
芋の葉や見れば名残の雲の峰
絵の如き雲に冬来る思ひあり
胴体のやうに雲伸び日短
雲白し簾の上のその隙間
風は歌雲は友なる墓洗ふ
野分雲夕焼映しつつ北へ
木の上に雲現れし良夜かな
冬の雲何かの如く浮かびをり
髭胸毛ゆたかに達磨冬の雲
つかみたる霊芝の硬さ冬の雲
埼玉は草餅うまし雲白し
夜の花のその枝長し雲に沿ふ
明易や雲の一つに乗りて死者
月ほどに明るき雲やけふの月
秋の雲子供の上を行く途中
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[きしもとなおき(1961〜)「天為」「秀」同人]
装丁:和兔
四六判並製カバー装
170頁
2022/08/08刊行