[立ち読みする]
◆ 第一句集
「えご咲いて葉蔭明るくなりにけり」一見、そう事立てることもない平穏な日常性の句ながら、行儀正しく、俳句らしさ充分の一巻であるのが嬉しくも思われる。
(序・山田みづえ)
たんぽぽの絮真青な空目指す
華鬘草一連の揺れ影の揺れ
群生の著莪に明暗ありにけり
梅雨寒や芭蕉の座像前屈み
石楠花の開く気配に振り向きぬ
海月にも空飛ぶ夢のあるならむ
山道を挟めて萩の乱れ咲き
露草の刈り取られあり戻り道
毬一つ広場に残り冬に入る
石蕗の花岩割るごとく茎立てて
装丁・君嶋真理子 四六判上製カバー装 216頁
●著者略歴
1926年長野県に生まれる。1947年~1979年会社員として主に貿易業務に携わる。1995年~「俳句朝日」に投句。1998年~2003年深川芭蕉記念館の句会に所属。2000年山田みづえ主宰「木語」入会。2003年「木語」同人となる。2005年石田郷子「JAL俳句実作」入会。2006年石田郷子代表「椋」入会。