◆第一句集
青梅雨や白の小皿に金の継
完璧な美が欠けることで生じる金継ぎのような複雑な美もある。この句集には、実
生活と美意識の両面において、金繕いのような味わいを湛えた句も多い。
(序・松尾隆信)
◆自選十句
踊子の帯の濡るるや西馬音内
足音と思ひしが風さねかづら
朝市の海鼠突つきて何も買はず
ちろちろと水あるところ恋蛙
タラップを降りるたちまち雪女郎
青梅雨や白の小皿に金の継
さはさはとキャベツの渦を刻みけり
魚みじろがぬまま水澄みに澄む
霰来る跳人の童のやうに来る
大都会の灯は狐火かも知れぬ
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[まつなみみえ(1950〜)「松の花」同人]
序・松尾隆信
跋・横山節子
装丁:君嶋真理子
四六判フランス装グラシン巻き
216頁
2021/11/23刊行