◆第一句集
地球負ふコペルニクスや月高し
紀美子俳句はさりげない知性が働いている。紀美子俳句の一つの特徴と言えよう。紀美子さんの知性は自然に身に着けたものである。人を包み込むような豊かな温かさがある。
(序・津久井紀代)
◆自選十二句
元朝の濤たひらかにいのち祝ぐ
あをによし奈良に茶粥の七日かな
水温む地球にいのち生まれし日
風光るペットボトルの潜水艇
義肢の子の走る校庭春疾風
デルフォイの地球の臍へつばくらめ
馬洗ふ少年の顔夕映えて
涼新たニホニウムある周期表
花ひとつ刺し終へ二十三夜月
黄落や味噌蔵に干す木の柄杓
師の一句一句を胸に枇杷の花
冬の星出そろひギリシャ神話かな
*
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[たかはしきみこ「天為」「天晴」同人、「磁石」会員(1938〜)]
序・津久井紀代
跋・佐藤小枝
装丁・君嶋真理子
四六判上製カバー装
230頁
2021/12/06刊行