◆第一句集
的確な写生にかならず、独自のひねりを潜ませている。
地表から何10センチか、心を浮遊させている。
自由を愛しつつ自由からは愛されなかった彼は、
天使になれたのだろうか。
猫じゃらしくん、キミのもとにもう小鳥は来ましたか。
帯より・夏井いつき
◆関富士子抄出
犬深く埋め浅きにものの種
花騒ぐ瞳を湖と思ふとき
六ツ足に六ツの光やあめんばう
頑なに過去は語らず心太
永遠の二乗の後の昼寝覚
聖フランチェスコの小鳥来たりけり
月星といふも石ころ露けくて
金網の隔つる猫と猫じやらし
定型の冬(樹の中に樹は眠り…)
美濃は雨近江は雪の赤蕪
冬林檎ジャングルジムは天使領
*
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[こじまあきら(1964〜2021)]
帯:夏井いつき
猫さんという俳人:中上哲夫
句集編集協力:関富士子
装画:有元利夫
装丁:和兔
四六判並製カバー装
228頁
2021/11/24刊行