◆名句百句を読む
シリーズ最新作!
雪晴れに足袋干すひとり静かなる
「雪や泥に汚れた足袋を下宿の軒に吊るすとき、雪景色の静寂に孤独を覚えたというもの。欣一、十九歳の作。金沢の風土に根ざした生活感情の表出は、私小説的な色彩を帯びている。欣一は「意欲と表現」(「寒雷」昭16・7)の中で石塚友二の「秋晴れや人にかくれて街にあり」の句を挙げ、「真心のアインザムほど美しいものはない。」と記し、孤独に無上の「美」を認めている。掲句は、この考え方に深い連なりをもつ第一作である。
◆思想詩としての俳句
戦後五十年間の日本の平和、結構なことである。しかし世界では戦争の連続、冷戦も戦争のうちに入る。朝鮮戦争・ベトナム戦争・アフガニスタン・中東・湾岸戦争など。人類は戦争する動物か。東西あらゆる戦争は正義そして聖戦の名において行われて来た。そして最も悲惨な目に会うのはいつも弱い人・底辺の人間である。
(沢木欣一「風木舎俳話」・俳誌「風」平七・八より)
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
span style="font-size: medium; color: #FF0000;">ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[あらかわひでゆき(1977〜)「伊吹嶺」編集長]
装丁:和兔
四六判変形並製カバー装
220頁
2021/11/20刊行