◆第二句集
柿食えばラ・カンパネラ古都に風
句会の後の甲斐さんはとってもうまそうにハイボールを飲んでいた。グラスの氷片をからんころんと鳴らせて。あの音、甲斐さんの聞いたラ・カンパネラだったのかも、と今にして思う。
(跋・坪内稔典)
◆山本直一抄出十句
ささやきに身をまかせなはれ春の泥
戒名なんぞクソクラエとぞ灌仏会
くねくねと生きるくねくねと粽解く
端居してアンパンマンマーチそらんじる
きのこ飯汝の多弁聞き流す
柿食えばラ・カンパネラ古都に風
のっぺりと生きてござる老い海鼠
冬木の芽ばさらさらばと目をさます
二重螺旋たどる彼岸は花吹雪
ごうごうと六月沖縄風よ鳴れ
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[かいいちびん(1941-2020)]
跋・坪内稔典
装丁・君嶋真理子
四六判並製カバー装
190頁
2021/11/1刊行