◆第一句集
山ざくら命惜しめと師の声す
作者は、先師・森澄雄の、生命を運ぶように生きよという教えを、真摯に学び、実践した。
価値観の多様な今の時代、作者の一貫した態度こそ、現代の風狂とも言えるだろう。
上野一孝(「梓」代表)
◆自選十句
大鯛の大俎板の淑気かな
涅槃図や阿難のそばに坐りたく
白川の明けゆく枝垂桜かな
春の雲はるかや旅にあこがれて
山ざくら命惜しめと師の声す
万緑のなか乗尻の臀弾む
炎帝のふところを来て火焔土器
秋澄むや音を違へて囲碁を打つ
釣瓶落し生きとし生けるものにかな
雪ぼたる追ふは夢追ふにも似たり
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[いしざきかおる(1943〜)「杉」「梓」同人]
跋:上野一孝
装丁:君嶋真理子
四六判上製カバー装
194頁
2021/09/27刊行