◆第一句集
繭ごもるやうに人老いほととぎす
晴子さんの俳句は、単なる写生に甘んじていない。
ものとものとの取り合わせによる言葉空間やイメージによる、心象の世界に踏み 入っている。
そこに独自性があり、他の追随を許さないものがある。
跋より・小倉英男
◆自選十句
わが吉書焰の鳥となりて翔つ
黒衣の女花下にルンバを踊り出す
母訪へばさくら隠しの雪にあふ
猿酒熟れごろぞ鳥羽僧上忌
幽霊図の前たうもろこし齧る
まだ子蛇日の矢を怖る舌赤き
夜遊びの白馬に逢へりほたるの夜
晴の字のやうな青空鷹鳩に
海彦やななふし人の指に落ち
イトウ一匹冬の花火の下に覚め
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[いとうはるこ(1940〜)「春嶺」主宰]
跋:小倉英男
装丁:間村俊一
カバー作品:勝本みつる
四六判上製フレキシブルバックスタイル
202頁
2021/09/30刊行