◆第一句集
昼月の引力強し黒揚羽
この句の世界には、昼月と黒揚羽しかいない。人間とか建物とか車とか、その他の一切は消されている。五七五の小さな表現がなんと大きな力を発揮していることか。
(跋・坪内稔典)
◆自選十句
麦の秋父母の背中に傾山
渋柿の下弁当がよく売れる
稲妻を交ぜてお焦げの握り飯
時々は舌をからませペチカの火
棺の中切々と春化粧する
土間のある暮らし燕と住む暮らし
時鳥週刊文春発売日
長い梅雨長い昭和のアーケード
夏休み忍者学校手裏剣部
焼き茄子のお尻モーロクしています
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[ごとうまさふみ(1949〜)「海原」所属]
跋:坪内稔典
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装グラシン巻き
206頁
2021/08/30刊行