◆第七句集
私は個人的に俳句は志と思と詩の三位一体のものであると思う。なにやら語呂合せのように聞こえるかもしれないが、大切な考え方である。〈志〉は〈志操〉でひとたび決心したら守って変えない志(こころざし)のことだ。俳句はささやかなものなので世間の紆余曲折でどうにでもころがってゆくものである。そこのところをひたすら一直線に進む志が大切なのである。
(著者)
◆自選十句
飛び跳ねて御手玉ほどの初雀
陽炎が持ち上げてゐる力石
常楽会動物園に人の列
苗代にみどりの針の無限かな
藤房が雨の百粒吊るしをり
白牡丹誕生も死も白衣にて
青梅雨の水族館の静寂かな
梅雨蝶や錆びて動かぬ蝶番
空蝉といふアリバイを残しけり
風鈴に月よりの風届きけり
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[おおぜきやすひろ(1948〜)「轍」主宰]
装丁:和兔
四六判並製クータバインディング
158頁
2021/07/05刊行