◆第一句集
夕立に渋谷のしゆんとなりにけり
東京で暮らすとはどういうことなのか、右子さんの俳句は自分自身の感覚を頼りにそれを一つ一つ形にしてきた。自然は乏しくても季節はめぐる。人間関係は薄くても人間はたくさんいる。夕立ですべてが一斉にしゅんとなった渋谷に不思議な解放感がある。
(帯より・小川 軽舟)
◆自選十句
ガム嚙みてこころ鈍しや春の昼
しやぼん玉吹く走るすべて忘れる
手を挿して泉に我を知らせたり
夕立に渋谷のしゆんとなりにけり
外側の私を流すシャワーかな
白薔薇バレエシューズは夜古ぶ
片方の靴探すごと秋行けり
マフラーをしたまま夜のボウリング
着ぶくれて頷きやすくなりにけり
寝つくまで明日の遠し冬の雨
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[しみずゆうこ(1978〜)]
装丁:和兔
A5判ペーパーバックスタイル
72頁
2021/05/29刊行