◆第六句集
ゆく夏の光閉ぢ込めシーグラス
実に様々な色がある。美しいけれども放つ光は原色でなく年月を経た渋みが加わっている。丸みを帯びて誰の心にも寛ぎと和みを届けてくれる。
(栞・仲 寒蝉)
◆自選十句
初空へ龍のかたちの波しぶき
如月や一番星に薄荷の香
白猫のまばたきのごと梅ひらく
抱き上げて子猫こんなに軽いとは
紙皿の縁のさざなみ山桜
赤ん坊の髪のぽよぽよ桜餅
付箋貼り本の膨らむ良夜かな
寒月とチェロを背負つて来る男
セーターの胸にトナカイ行進す
ホットワイン『Moon River』を聴きながら
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ご本の紹介→ (ふらんす堂「編集日記」)
[かねこあつし(1959〜)「出航」会員]
装丁:君嶋真理子
四六判並製カバー装
198頁
2021/04/21刊行