◆第二句集
教室の窓に冬木の一部分
前半は学生時代の響きがあり、本来の純粋性とファンタジーが写生構成によりしかと昇華されている。独立後の厳しさ襲う後半でも融通無碍の持ち味が顔を覗かせていて頼もしい。
(帯より・橋本美代子)
◆自選十五句より
涅槃図のうしろに風のとほる幅
あけぼのの空を頼りに蝶の羽化
てのひらの礫転がす花の昼
存分に竹皮を脱ぐ放哉忌
白靴を竹人形に見つめらる
六月の風たましひのいろをして
空と風泰山木の第一花
風神の玉眼に会ふ大暑かな
どつぷりと日の中にゐる文化の日
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[ふきようこ(1924〜)「あくあ」主宰]
帯・橋本美代子
装丁:君嶋真理子
四六判ペーパーバックスタイル
146頁
2021/03/27刊行