◆第一句集
草笛の風の音色となつてをり
家族に対する心、音楽に対する心、信仰に対する心が俳句の心へと昇華され、その心の美しさ故の「美」を醸し出しているのである。
(序・稲畑廣太郎)
◆自選十句
手のひらにのるほどの靴春を待つ
啓蟄やそこここにゐる虫博士
著ぶくれの子にしてしまふ親心
白き歯の見えて勝利の日焼顔
島の子とひと目でわかる泳ぎかな
リスト弾く第一音にある淑気
悴みし指に躓くショパンかな
大試験母にも長き一と日かな
はらはらと散りひらひらと蝶となり
よべ星の零れ花野となりにけり
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[ゆらゆみ(1964〜)「ホトトギス」同人「円虹」会員」
序句・稲畑汀子
序・稲畑廣太郎
装丁:君嶋真理子
四六判半上製カバー装
204頁
2021/03/22刊行