◆第一句集
花菜風命むんずと赤児泣く
「命むんず」の省略の効いた措辞に、作者は精一杯の想いを籠めた。
俳句は神が与えてくれる言葉によって素敵な活力を時に見せる。
鈴木 明 (野の会誌・「今月の一句」より)
◆自選十句
五反田の桜坂道師の家路
薔薇咲いて小さき庭の貌変わる
帯とれた昭和の句集馬酔木咲く
少年は老功となり将 狼となり
狐火は美しいらし未だ見ず
さそり座の光澄む空海路行く
蜻蛉追う児は一行詩光満つ
パンドラの箱開けず金婚秋二人
すべて点より始まる宇宙木の芽月
鳩の居る普通の暮し日向ぼこ
Amazonでの本の購入はこちらより→ Amazon
[ありはらがこう(1944〜)「野の会」所属]」
序・帯:鈴木明
跋:岡田路光
装画:有原雅香
装丁:和兔
四六判上製カバー装
220頁
2021/03/16